自由

犯罪を取り締まるコスト

蔵さんのエントリーより。 残念なことに、常に擬態をする人間(と動物)はいる。人々が望ましいと考えるような活動は、普通は本人に様々なコストを支払わせるが、無名性の強い資本主義社会では、善意を装うことによって他人からの信頼を受けて、それを換金す…

福祉国家とアナルコキャピタリズム

不況のため、自由主義への風当たりは強い。しかし、福祉国家あるいは社会主義・共産主義を支持する人々の批判は的外れである。福祉国家を支持する人々が本気なら、アナルコキャピタリズムを支持するはずだし、その世界で救われない人がいることはあり得ない…

リバタリアニズムと共感

蔵さんが、動物への共感とリバタリアニズムの関係について論じている。これに触発されてのエントリー。ただし、動物ではなく他人に対する共感について。ここから普段考えていることをまとめてみた。

公園は誰の物か

少し前に渋谷で宮下公園の命名権売却に対するデモに出会った。デモ隊の主張を検討してみる。 ・大企業に命名権を売却するな これに対しては、揚げ足取りのようであるが中小企業への売却ならよいのかと思った。企業を悪と見なす思考パターンに対して私は否定…

選挙の経済学

typeAさんが「Nudge」を取り上げたので、ちょうど読了した本を紹介。 著者は公共選択学派のリバタリアンとして有名なブライアン・カプランである。タイトルからは想像もつかないほど様々なことが詰め込まれていて、どの部分を取り上げるかだけでも色々なエン…

リバタリアニズムの多面体

編著 森村進 リバタリアニズムのワークショップをまとめたもの。以下、章毎に簡単にコメント。 第一章 なぜ自由か? ジャン・ナーヴソン まだ日本語では紹介されることの少ないジャン・ナーヴソンの論文である。ナーヴソンは契約論に依拠するリバタリアンで…

本当にお得な補助ですか

「いつでも政府を民間企業として見よ」とは、アナルコ・キャピタリズム研究(仮)ブログのエントリの一つである。内容に完全に同意するが、一つだけ付け加えたい。「政府のやっていることの費用はどこかの誰かが払っているのです」と。政府があらゆる補助を…

現在の枠組みでも多少実現していること

いきなり無政府資本主義の実現は難しいと思う。それでも徐々にではあるが無政府資本主義に至るような動きは出ている。不況を理由に政府の介入を肯定する人が多いが、不完全とはいえ民営化がサービスを向上させてきたことをまとめてみたい。

金融危機にあたって

最近刊行された新版のハイエク全集を読み進めている。第1、2巻は景気循環をテーマとしたものである。ハイエクの結論の一つは景気循環に介入するとかえって波が大きくなり、後に来る不況が大きく、深くなるというものである。ハイエクの考えは現代の主流派経…

年金問題

原田泰氏の「日本国の原則」を読んだ。広い意味でのリバタリアニズムに属する本と考えてよいと思う。規制の撤廃が経済発展を促すという当たり前のようなことを史実に基づいて丁寧に解説している。 年金問題に付いても、国際比較、納めた額の二つを根拠に現在…

企業の社会的責任とは

不況のせいか、企業の社会的責任という言葉が連呼されていたが、見当違いも甚だしい。不況のため解雇される人、就職できない人がクローズアップされている。大企業はそのような人に対してどのような社会的責任を果たすべきだというのか。今回は無政府社会で…

アイン・ランドの思想と(狭義の)リバタリアニズムの比較

アイン・ランドの「利己主義という気概」が邦訳で出版された。「水源」や「肩をすくめるアトラス」もあわせてランドの思想である客観主義を狭義のリバタリアニズム*1と比較してみた。 *1:ここではロスバードやDDフリードマン、ハイエクなどを想定していただ…

司法政策の法と経済学

読了した。簡単に内容の紹介と感想など。

司法政策の法と経済学

この本はまだ読んでいる途中であるが書いておく。 「法と経済」の分野自体、日本ではまだあまり光が当たっていない。しかし、法(広く規制を含めて考えてもいい)がインセンティヴに大きな影響を与えるため、この分野は社会制度を考えていく上でとても重要で…

合意による道徳

契約論的リバタリアニズムに属するとされる「合意による道徳」を読了。 充分に消化できたとは言えないが、自分の頭を整理するために書評を書いてみる。

私も読んでいます

遅くなりましたが、kurakenyaさんのブログ、私も読んでいます。

問いのたて方

世の中、問いのたて方が間違っているから迷走するということが多い気がする。そして、経済学の答えが道徳的直感に反することがあるのも原因かもしれない。 例えば、環境問題が典型である。「きれいな空気と汚れた空気、どちらがいいですか」とそれだけ聞かれ…

災害と経済発展と

ミャンマーのサイクロン、中国の大地震、今回の東北の地震でいろいろと考えてみた。 まず、アマルティア・センのことから始めたい。センはアジア初のノーベル賞経済学者である。ただ、その思想はリバタリアンからはかなり距離がある。今回はその実証研究で教…

自由市場の道徳性(4回目)

第四部は第7、8、9、10章からなる。自由主義で取り上げることの多い問題の各論と言った趣である。

自由市場の道徳性(3回目)

第三部は第5章と第6章からなる。

自由市場の道徳性(2回目)

第二部は、第三章と第四章からなる。

やはり税金は下げるべき

アナルコキャピタリストとして鋭く世の中を切っているkyuuriさんの論説。 私の簡単な考えなどをまとめてみます。 いきなり無政府の実現は無理だとしても、無駄の多い政府機能を制限していくにあたって今回のガソリン税の期限切れは非常によい実験だと考えま…

自由市場の道徳性

アレキサンダー・H・シャンド著 オーストリア学派の入門書という位置づけであるが、オーストリア学派を様々な経済思想と比較することでその立場をはっきりさせている。その性質上、ノージックや集産主義も登場し、その射程はかなり広い*1。 *1:ただし触れた…

自由の構造(7回目)

書評の続き

自由の構造(6回目)

書評の続き

自由の構造(5回目)

書評の続き

自由の構造(4回目)

書評の続き

自由の構造(3回目)

書評の続き

自由の構造(2回目)

書評の続き

自由の構造

ランディ・E・バーネット著「自由の構造」を読了。今回から少し内容の把握できる書評にしたい。