自由の構造(7回目)

書評の続き
第15章はそれだけで第四部となっており、予想される批判に答えるものとなっている。リバタリアンの典型的な論説をみることができる。

最初は司法なども現在の社会と同じような想定で描かれているのかと思ったが、途中からバーネットの想定する社会は多中心的立憲秩序つまり無政府社会なのだとわかった。読み返すと最初からそのように書いていると捉えることもできる。無政府社会というと、暴力無秩序の支配する世の中のように思いがちであるがリバタリアンの想定する社会は全く違うことがよくわかると思う。