2007-01-01から1年間の記事一覧

受け皿

最近、リバタリアンの世界を考える上で気になる問題に出くわした。もちろん、現在の社会でも大きな問題になっている*1。それは、刑務所が障害者や立場の弱い外国人、一部の高齢者の受け皿になっているという事実だ。書籍としては、 犯罪不安社会 浜井浩一、…

自己責任はどこまで成立するか

保険や年金をどうするかは、リバタリアンと福祉国家論者で最も意見が分かれるテーマに違いない。個人的には、民営化した方が効率がよいというリバタリアンの意見を支持している。ただし、生保・損保の不払い問題をみても競争が不十分な市場では問題が起こる…

リバタリアンな質問

こちらがちょっとした盛り上がりのよう。あえてリバタリアンとして分類すると、社会契約を重視する立場からの質問のようである。コメントしている人たちは、わかっているのにわざと皮肉な質問をしているように受け止めている人が多いようだ。ただ、福祉を重…

錦の御旗

世論を動かすには錦の御旗が必要だ。しかし、本当に錦なのだろうか。 最近は下火だが、一時「少年犯罪の増加」が錦の御旗になっていた。今の少年はすぐキレる、とんでもないとされていた。裏返すと昔はよかったと言いたいのである。確かにとんでもない少年犯…

誘惑される意志

ジョージ・エインズリー著 山形浩生訳経済学の大切な前提に「人間は合理的な判断を下す」という考え方がある。しかし、宝くじのように期待値から判断すれば購入するはずのないものについつい手が出てしまう人がいるのも事実である。また、長期的な視点からす…

自由と寛容

リバタリアンの世界はぎすぎすしてそうだ、という意見がある。必ずしもそうではない、ということを書いてみたい。 リバタリアニズムの中に無政府資本主義という立場があるように、規制のない自由な市場とリバタリアニズム全般は相性が良い。自由な競争的市場…

反省

前回のエントリーの反省。 予算配分にある程度自分の意思を反映させることと、税金全体が減っていくことの関係が整理できていない。また、減らされることを見越して多めに予算を要求する可能性があるかも。これについては、予算要求については前年実績の105%…

へたれリバタリアン

自分の立場は未だはっきりしないけれど。 税金の本来の意義というものを考えてみる。一つは、経済学でいう「公共財」に関する費用と言うものだろう。国防、司法、環境に関することなどなど。どこまでを政府がやるべきだとか、すべて民間に任せるという話は今…

リバタリアニズムと平等

リバタリアンには全く平等という考えはないのであろうか。自分なりの結論は、自分と他人の自由を最大限に尊重するという点において平等なのだというもの。機会の平等や結果の平等という次元ではなくて、権利の平等という感じなのだろうか。

リバタリアニズム

最近、リバタリアニズムに興味があり、手に入った本から読んでいる。リバタリアニズムとは簡単にまとめると「自由尊重主義」あるいは「自由至上主義」となるだろうか。しかし、リバタリアンの中も全員の考えが一致しているわけではない。それでも「自由」の…

価格ターゲティング

価格ターゲティングをご存知だろうか。差別価格といわれることもある。簡単にいえば相手によって売る価格をかえること。高く買ってくれる相手には高い値段を付ける方法である。一例として、カプチーノにココアパウダーを振っただけで50円も値段が違うこと。…

禁煙はなぜ難しいか。禁煙の経済学

禁煙はなぜ難しいか。経済学の仮定では、人間は合理的な判断をするはずである。喫煙者のほとんどはタバコが慢性閉塞性肺疾患や肺がんの原因になっていることを知っているであろう。それを肯定してはいなくても嫌になるほど聞かされたことであろう。ならば、…

貧困のサイクル

貧困のサイクルという言葉がある。貧しい環境では十分な教育を受けることができず、これが原因で成人してからも収入面でも不利となる。するとこの人の子供も同じ理由で将来が不利になるであろう、という考え方だ。しかし、上記した「人間は空白の石盤ではな…

人間の本性を考える

「人間の本性を考える」を読了。人間は空白の石盤である、つまり生まれてからの環境によりどのような人間にでもなるという仮説を徹底的に論破している。生まれつき頭の回転が速い人間もいれば、生まれつき悪事に手を染めやすい人間もいるということだ。遺伝…

飲食店の裏側推測

業務用スーパーの商品を見ていると、いろいろ考えることがあった。 ロールキャベツが大量に冷凍されている→定食屋やおでん屋はこれを使っているのか 業務用カレーの缶詰→温めただけの店多そう 業務用冷凍ピラフ、チャーハンなど→カラオケボックスのメニュー…

業務用スーパーの経済学

業務用スーパーを近所で見つけた。一般の人間でも入店の制限はない*1。入店前は次のようなことを考えていた。一般のスーパーより商品の梱包単位が大きく、商品の包装が簡便で2-3割安いだろう。結果的にわかったのは次のようなことである。梱包単位は確かに大…

インセンィヴの力

経済学の核心を「人はインセンティヴに反応する」と言い切ったのは名著「ランチタイムの経済学」である。このほかにもインセンティヴで物事を切った本に「まっとうな経済学」や「日常生活を経済学する」がある。シカゴ学派というかリバタリアニズムの影響が…

健康食品やダイエットの経済学

なぜ人はダイエットに大金を費やすのだろう。また、どうして代替医療や怪しげな健康食品に群がるのだろう。 つい先日もマスコミの納豆ダイエットが問題になった。マスコミ側の問題点としては視聴率至上主義が問題にされている。また、視聴者側の問題としてリ…

そもそも株式会社とは

岩田規久男 著 株式会社の株主、経営者、従業員の関係について論じている。岩田先生の本で最近書かれたものはどれも読みやすく、説得力がある。 すでにbewaadさんからいくつか疑問点が提示されている。私も一つ気になる点があるので、bewaadさんにトラックバ…

 一蘭

六本木にある一蘭というラーメン屋に行ったことがある。豚骨ラーメンで味もなかなかのものだったが、一番印象に残ったのは勝手に「鳥かごシステム」と呼んでいるカウンターの仕組み。説明しづらく、行った人しかわからないと思うが、まとめてみる。 まず、店…