自由

村の連帯から都市の匿名性へ2

前回も書いたように大多数の人々が都市に流れることから、連帯意識より匿名性の高い生活が好まれることは明白だ。連帯意識が薄れたということが話題になる度に違和感を感じてしまう。連帯意識はある水準から外れることを許さない。怠けるにしても飛び抜ける…

村の連帯から都市の匿名性へ

タイトルはあまりにもステレオタイプであることを自覚しつつ都市論を続けてみる。小規模の集落では連帯意識が強かったというのは群れを作って生き抜いてきた人間の行動として自然だろう。では、匿名性の高い、資本主義社会・都市生活というのはどうなんだろ…

言語の力・文字の力・ミームの力

人間と動物を分ける大きな境の一つが(複雑な)言語の存在だろう。文明の発達の原動力の一つが言語であることは間違いない。タイトルで言語の力と文字の力を分けたのには理由がある。文字がなくても都市を形成した例は存在するからだ。参考文献*1によれば、…

公正価格

typeA氏がLJPで書かれた内容への補足。 竹内靖雄によれば、公正価格と考えられるものは、市場価格と契約により双方が合意した価格だと言う。 ハリケーンで混乱していても、特に規制のない状態で物が売買され、双方が納得していれば問題ないはずである。 これ…

キャッチフレーズ

リバタリアニズムでは、相手の自己決定権を尊重する。相手の人格を尊重し、一人の人間として扱う。 共産主義では、自分の思想のみが正しいとして相手を矯正しようとする*1。 くだけて言えば、「リバタリアニズムは相手にリスペクト、共産主義は上から目線」…

社会貢献とは

社会貢献という言葉の使われ方に引っかかりを覚える。リベラルと同じで元と違った意味合いが被ってきているように思うのだ。 営利目的の行為は社会貢献ではないような捉え方をされているのではないか。私の杞憂なら良いが。他者の財産権を侵害しない限り、営…

リストラ

リストラに対して批判的な意見を述べる人がいるが完全に間違っている。 まず、人が少なくてもやっていける企業は素晴らしいことに注意しよう。様々な手法で必死に生産性を高めた結果なのだ。 生産性を高めなくてよいという人は石器時代に戻ろう。自分は生産…

成長戦略

政府が重点投資分野を決定しても邪魔になるだけ。適切な成長戦略は、減税・規制撤廃である。

文化規範と私的空間

文化規範*1は国によっても人によっても多少違うだろうし、内容によっては大きく違うかもしれない。 リバタリアニズムの世界では文化規範はどうなるのだろうか。 例えば、電車の中で騒ぐような行為はどうなるのか。 これはその電車を管理しているものが決定す…

賭博と詐欺と

力士たちが野球賭博をしていたのが問題になっている。賭博がなぜ問題になるのか。被害者はいるのか。 力士にあるまじき行為として問題視するなら国営ギャンブルはどうなるのか。 賭博に絡んで恐喝があったことが問題なのか。ブロックが説くように恐喝自体は…

Libertarianism Japan Project開設

開設おめでとうございます。私も微力ながら援護射撃させていただきます。 民主党政権になってからますます社会主義化・共産主義化している日本。今が一番アナルコキャピタリズムが必要なはず。 執筆者の皆様、頑張って下さいませ。

生活保護とホームレスの比較

生活保護を受けると確かにある程度の生活水準は維持できるかしれない。 しかし、ホームレスは他人にほとんどたからず自力で生きている。

差別と自発的援助の勧め

差別の勧め すべての人をまんべんなく助けることはできない。公的な福祉が必要だと考える人でも、その対象は様々なはずである。アルコール依存症の人なのか、家のない人なのか。資産があっても難病で苦しんでいる人は助ける対象になるのか。どのような人を助…

福祉撤廃に反対する人

公的な福祉を撤廃することに反対する人がいるのは、ある意味安心である。彼らはリバタリアニズムの世界において自発的にお金を出す可能性が高いはずだからだ。

差別の効用

リバタリアニズムの世界では差別を肯定する。個人の考えを大切にするということは必然的に差別を肯定することに向かうのだ。 例えば、禁煙の問題。私的空間である店内を禁煙にしようが、喫煙可にしようが、分煙にしようがそれは店主の自由である。しかし、そ…

生活保護を受けている人間は旅行してよいのか

リバタリアンは自由を尊重する。それは私的所有権を尊重するということでもある。従ってリバタリアンから見ればタイトルの問題提起は、あまり意味がないことになる。むしろ、生活保護でもらったお金の正当性に目が向くと思う。つまり他人の財産が政府により…

宮下公園問題、なぜナイキか

ざっと宮下公園の問題をネットで検索してみてもほとんどの記事はナイキによる運営に批判的である。 私自身も「なぜナイキか」という疑問を持っているが、ほとんどの人の視点とは違う。ほとんどの人は、大企業が運営するという事自体に反対なのであろう。 私…

高速道路無料化

民主党がマニフェストに掲げた高速道路無料化が議論になっている。完全に無料化にすれば都市部で渋滞が発生するというのは事実であろうが、そもそも道路が無料というのが間違いである。道路を公有にする必要はない。すべての道路を民営化して利用者が費用負…

リバタリアニズムと差別、機会の平等

リバタリアニズムにおいては、差別を肯定するが、結果的に差別を減らすにはリバタリアニズムが最良である。また、リバタリアニズムにおいては、機会の平等も否定されるが、実質的にそれに近い状態を作り出すにもリバタリアニズムが最良である。

独占について

帰結主義的なリバタリアンの結論とほぼ同一なのだが、自然権的リバタリアン、ロスバードの議論を核に自分の意見をまとめておく。(ロスバードの見解については、越後和典氏の「競争と独占」に詳しい) まず、技術革新による自然独占は何ら問題にならない。技…

郵政民営化の参考文献

郵政民営化が槍玉に挙げられている。確かに、民営化のやり方におかしなところがあり、例えば競合する企業が参入できないような規制があるなど問題点は多々あるが、それでも私は民営化の方向は良いと考えている。それに対し、マスコミが飛びつき、一般受けす…

関連すること

最近、twitterで宮下公園の話題が盛んのよう。私のエントリはこちら。 また、「リバタリアニズムの多面体」がこちらでも取り上げられていた。私のエントリよりも鋭い解説。

ベーシックインカムについて考える

ベーシックインカムの議論が盛んだ。Mフリードマンも「負の所得税」という形で取り上げており、リバタリアニズムとは無縁ではない。 私自身は、ベーシックインカムは諸刃の剣だと考えている。支給額を増やせば共産主義的になり、支給額を減らしていけば古典…

市場による民主主義

リバタリアニズムは民主主義に対しても否定的である。多数決は少数派の意志を踏みにじることになるからだ。 だが、歴史的にみれば大多数の人が自分の意志を反映させる機会を得たというのは自由の観点からも重要なことであろう。正確には、私有財産を認めるこ…

教育は格差を小さくするのか

資本主義・自由市場のもとでは、突出した資産家もごく少数生み出すが、大部分の人の格差は小さくなる。また、資本主義および市場は一貫して生活水準も引き上げてきた。この辺りの話は、一部の目につく部分に惑わされバイアスがかかりやすいのか、誤解されて…

アメリカの地下経済

「ヤバい経済学」で有名になった異色の社会学者の本。私自身はアナルコキャピタリズムへの足がかりとして読んだ。 アナルコキャピタリズムの社会と違い、描かれる世界は貧しい。それでも司法の力があまりあてにできない状況で、治安問題や取引を巡るトラブル…

アナルコキャピタリストの行う福祉

アナルコキャピタリストは、政府がない世界では貧困が少なくなり、自発的な援助が行き渡ると説く。これに対し、現状でアナルコキャピタリストは自発的な援助をしているのかという批判がある。私自身は、最も有効な福祉を実践しているあるいはしようとしてい…

派遣禁止について

派遣社員という制度が制限されそうである。派遣社員という立場の人の中には正社員を希望したがなれなかった人がいるはずだ。この不況のさなか、正社員になるのは好況のときより難しいはずだ。派遣という働き方すらできなくなればますます苦しくなると思うの…

自由と平等は両立するか

anacapさんのつぶやきに触発されたエントリー。 富める者は富み、そうでない者も富むというのが資本主義であり自然です。市場は中流下流を引き上げる最も良い仕組みです。担保すべき平等というのがあれば自然権だけでしょう。 anacapさんの説明は簡潔かつわ…

それでも市場がよいのだ

市場という言葉のイメージは年々低下しているような気がする。資本主義の暴走と言う言葉もある。そこでイメージされるのは、自主的な歯止めのきかない市場というものだろうか。しかし、市場の市場つまりメタ市場というものがあることに注意されたい。典型的…