それでも市場がよいのだ

市場という言葉のイメージは年々低下しているような気がする。資本主義の暴走と言う言葉もある。そこでイメージされるのは、自主的な歯止めのきかない市場というものだろうか。しかし、市場の市場つまりメタ市場というものがあることに注意されたい。典型的なのは株式市場である。世界にはいくつかの市場があり、市場同士が優劣を競うメタ市場が形成されている。市場を利用する人たちはより便利な市場に流れていく。こうして健全な市場が選択され残っていくことになる。これは自主的な歯止めと考えてよいのではないだろうか。蔵さんのクチコミによる評価というのも、市場に対するクチコミの場合はメタ市場になるはずだ。
また、時間経過を考えると、市場が機能不全に陥った時期の不利益よりも機能している時期の利益の方が遥かに大きい、という議論もできるだろう。えてして人間は見えない部分を忘れがちであるが、市場がうまく働いている時期はその恩恵に気づきにくいのである。
結論としては、市場に対しては色々批判があり、それぞれもっともな部分は多少あるかもしれないが、「それでも市場がよいのだ」と言えるということである。