2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

思いやりの考察

参考文献 超ヤバい経済学、人は意外に合理的より初期の行動経済学の結論から更に踏み込んだ面白い話が「超ヤバい経済学」に載っている。ゲーム理論や実験経済学とも関連する話だ。話のポイントは、初期の行動経済学で唱えられていたほど人間には思いやりはな…

香港はどのようにしてできたか

私の中では、香港というのはちょっと神格化された土地かもしれない。小規模でありながら高度に都市化され、規制が少なく、豊かな街。(気候は東京の方が好きだ) 蔵さんが私に発した問いは考えさせられるものだった。 「イギリスの法制度等がなくてもあの街…

信頼の視点からリバタリアニズムを考えてみる

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (上)」 p128, 142より市場を利用して生活していると、協力と公平性と個人を尊重する社会を築く。閉鎖的な社会の方がむしろ、偏狭なまでに合理的である。つまり、リバタリアンの理想とする社会では人は自発的に偏狭な利…

付加価値の大切さ

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (上)」 p69より農業従事者が減り始めると、製造業は富を生まないと初期の経済学者たちはうろたえた。製造業に従事するものが減り始めると、経済学者たちはサービス業は製造から注意をそらすくだらないものだとした。今…

資源の呪い

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (上)」 p53より植民地からの富があるにも関わらず没落したスペイン、現代の産油国がなかなか豊かになれないこと、資源のない貿易立国が豊かなこと等を取り上げて「資源の呪い」を例証している。 現代のアフリカの例に…

予防原則の難しさ

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (上)」 p50より遺伝子組み換え食品による食料援助を過剰に心配したおかげで、ザンビアの飢饉を悪化させた可能性に付いて言及している。予防原則の運用の難しさがわかる。市場の力は予測力も備えているという例は多数あ…

小さなマーケット

新宿西口から大ガード方面に歩いていくと、何軒かのチケットショップが並んでいる。店同士の競争もあるし、買値と売値が表示されているから小さな株式市場が並んでいるようなものである。各店の価格を比べてみると完全に裁定されているわけではないことがわ…

和服はなぜ高いのか

知人Xから聞いた話。そのまた知人Yが和服を新調してかなり値段がはったということなのだが。 Y氏によると職人の手仕事だから価値があり高いのだという。知人Xはそういうものかと思ったが何か腑に落ちないという。手仕事と言ったって蚕を自分で育て、糸を紡ぐ…

経済発展と収入格差

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (上)」 p36-37より経済発展に伴い、最初は収入格差が拡大する。しかし、その格差を拡大した力はいずれ格差を解消する方向に向かう。リドレーはハイエクの言葉を引用しながら、その理由として下層階級の地位向上が加速…