小さなマーケット

新宿西口から大ガード方面に歩いていくと、何軒かのチケットショップが並んでいる。店同士の競争もあるし、買値と売値が表示されているから小さな株式市場が並んでいるようなものである。各店の価格を比べてみると完全に裁定されているわけではないことがわかった。
きちんとデータを取ったわけではないが、それでも店の提示した売値が全体的に安い店にはお客さんが多く集まっているようだ。各店の価格をマメに比較する人ばかりではないだろうし、何か買おうと思ったら、ついで買いのものは価格が少し高くてもまとめて買ってしまったりするんだろう*1。完全市場にマーケティングが加味されたような状態なのだろうか。
このマーケットは不完全だからといっても、規制だらけの世の市場よりは遥かに効率的なことは言うまでもあるまい。チケットを売りたい人、買いたい人が効率的に結びつき、店はその価格差で生計を立てている。価格差は競争により小さくなるが、お客が集まり店もにぎわっている。効率的な市場がみんなに幸せをもたらしている。
ちょっといいものを見た気分。

*1:情報のコスト、手間のコストなど