LJP発足

日本初のリバタリアンが集うサイトlibertarianism Japan Project (LJP) が発足いたしました。 私も参加させていただいています。リバタリアニズムって何だ?と思った方はぜひ一度ご覧ください。 よろしくお願いいたします。

発達障害の人と働くその2 物事を関連づける能力

まず、シミュレーション能力について。発達障害の人と一緒に仕事をしていると気になるのが「空気を読めない」こと。 相手の細かい感情が把握できない、その場にそぐわない言動をしてしまうなどなど。 これは相手や周囲の人の考えや感情を自分の中でうまくシ…

発達障害の人と働くその1

発達障害を抱える人と働く機会があったので気付いたことをまとめる。 まず、特徴。散々ネットにアップされているが改めてまとめると シミュレーションが苦手 注意力のリソースが少ないあるいは配分がうまくできない 短期記憶の問題 衝動性 (以後追加していく…

『階級「断絶」社会アメリカ』を読む、その3

第III部 それがなぜ問題なのか マレーは建国の父たちが唱えた「小さい政府」の考えに戻らなければならないという 今までのテータをもとに、マレーは小さい政府を支持する。第14章 アメリカ社会の選択的崩壊 アメリカにはかつて相互扶助のコミュニティがあっ…

『階級「断絶」社会アメリカ』を読む、その2

第II部 新下層階級の形成 労働者階級の中に新しい集団が形成されてきている。今までは人種による経済格差が強調されていたが、白人に限定しても新しい下層階級が形成されてきている。この集団はアメリカの伝統的規範からははずれてきている。 日本では人種に…

『階級「断絶」社会アメリカ』を読む、その1

階級「断絶」社会アメリカ、本書は「ベルカーブ」で有名なチャールズ・マレーによるものであり、集大成でもある。アメリカの現状を分析したものであるが、日本の現状を考える上でも極めて有効な本であると思われる。 まとまりごとに簡単に要約し、明確にする…

robustな理論

蔵さんが紹介していた「性欲の科学」を読み終えた*1。内容に関する感想は蔵さんとあまり違わないのだが、なかなか本音を聞きづらい分野をネットを使ってうまくまとめたなというのが印象的であった。男女の違いを色々な角度から捉えていて面白い。 もう一つ、…

思想と遺伝、感受性

親子であるいは三代にわたって思想を受け継ぐ家族がある。例えばフリードマンの家系がそうだ。ミルトン、デイヴィット、パトリと思想を深めながらも自由を擁護する姿勢は変わらない。さて、これは家族の環境という文化あるいは社会的な要因だけで規定される…

転職ネタ

slumlordさんの転職の話(こことここ)を興味深く読ませて頂いた。何か状況に不満がある場合、その状況を変えようとしたりそこから出て行ってしまう人と、そこに自分をあわせようという人の二つに大きく分けられるように思う。気質という面から見た場合、や…

予防接種と外部性

インフルエンザもピークを越えつつあるようだ。インフルエンザに関しては、予防接種の有効性は明らかである。またインフルエンザ治療薬の有症状期間の短縮は明らかではあるが、意外なことにインフルエンザ治療薬が重症化を本当に阻止しているかについてはは…

面積

小学校の頃、円の面積を求める公式はどうやってできたんだろうと思っていた。円以外でも、ぐにゃっとした形の面積がきちんと測れるということが不思議で仕方なかった。今考えると、その頃既にヒントは与えられていた。小さなタイルを円の中に敷き詰めて「だ…

漢方に対する雑感

東洋医学・漢方に対して私は非常に懐疑的である。少し前に書いた定義に関する話とかぶるが、東洋医学・漢方での「証」という診断の曖昧さが腑に落ちない。診断なんてある程度トレーニングすれば誰でも体得でき、再現性のあるものでなければならない。そのた…

気になるデータ

一つ目。ポール・ヘインの「経済学入門」より 所得格差について述べた部分の脚注に、所得の多い層は少ない層より労働時間が長い旨の記述あり。所得格差に注目が集まってもこのような事実は黙殺されてしまう。所得の少ない層は、労働意欲があってもあまり長く…

定義はやはり大事かも

ずいぶん前に蔵さんが「もっと厳密に、その曖昧(でペダンティックな)言葉を定義してから書いてくれよ!と感じるのだ」と書いていたことがあって、それなりに納得はしていたのだが、最近改めて思うことがあった。学術的な話ではないがちょっと書いてみたい…

今日の思ッタコト

蔵さんがこちらで古いものが良いという価値観に疑問を呈している。私も伝統芸能をやたらと持ち上げる風潮にはうんざりしているし、全く同感だ。学問の世界でも、自然科学の分野なら伝統というものにあまり価値はない。例えば、世界は平坦だとか、亀の上に乗…

分子生物学、物理、そして…。

高校生の頃は何も知らないくせに、生物学とは進歩のない学問と決めつけていた。しかし、分子生物学に出会って反省。もともと無神論者だったが、分子生物学に触れてからは極端に還元主義的になった気がする。分子の一つ一つがその形や電荷などで機能が決まっ…

「大気を変える錬金術」を読む

参考文献 大気を変える錬金術 ハーバー、ボッシュと化学の世紀 トーマス・ヘイガー 著高校の化学でハーバー・ボッシュ法を習ったことがある人もいるだろう。空中窒素からアンモニアを合成する方法であるが、安価で大量生産に向き、廃熱が有効利用できること…

原田泰

原田の書くエッセイは簡潔でありながら鋭く福祉国家をえぐっている*1。原田自身の立場は古典的自由主義者だろうと思う*2が、リバタリアニズム入門としても優れた本を何冊も書いている。お勧めは、「日本国の原則」と「なぜ日本経済はうまくいかないのか」の…

神は後から

「多くの人が神はいると考えるのだから神はいるのです」と主張する人がいる。この論法だと、人が先、神は後ということになり、世界を作ったのは少なくとも神ではないということになる。この人の考える神ってそういうものなのか。 ちなみに、「アナーキー・国…

似非科学と自己決定権

「私の性格はこうだから、血液型は○型です」などという人がいる。ご存知のように血液型占いには全く根拠がないが、信じている人は多い。前記のように性格から血液型を決めている人までいるくらいである。 ではこのような人に輸血をする必要が生じ、本人も同…

無神論

私自身は無神論の立場を取るが、無神論と有神論の議論を眺めていると面白い。 「多くの人が神はいると考えるのだから神はいるのです」なんて議論は全くナンセンスだ。 新たに宗教を起こした人はその時点では少数派だろう。信者が多くなってきたところで神が…

道徳と顕示選好

お金より命が大事だという人がいる。条件によってはそうだと思うと答えると、変な顔をされたので質問してみた。 「お金があれば助かる人がいるのに、あなたのお金をすべてそのために使わないのはなぜですか」 その人がとっている行動は、自分のお金は見知ら…

リバタリアニズムと平等、公平感

前回のエントリをもう少し掘り下げてみることにした。 リバタリアニズムに平等がないというのは全くの誤解だ。まず次の内容はすべてのリバタリアンが同意すると思う。それは、私的所有権は皮膚の色や国籍に関係なく誰もが平等に持っている、ということだ。こ…

差別とリバタリアニズム

蔵さんの「海賊の経済学」に関する二つのエントリー(こちらとこちら)のうち、後者に関して。リバタリアニズムで誤解されがちなことの一つに「差別の肯定」がある。リバタリアニズムは、個人は何を考えようが自由だから当然差別も肯定する。しかしこれはリ…

検診に関するちょっとした考察

蔵さんに「リスク・リテラシーが身に付く統計的思考法」を紹介したのだが、意外に興味を持って読んでもらえたようだ。私自身、以前から、検診のどの部分が実際に役に立っているのか知りたい、と思っていた。全部ひっくるめて役に立つ・立たないではなく、何…

未熟な人間

未熟な人間が判断したことの責任を問うことはできるのかという問いがある。方向を変えて成熟した人間の判断とはどんなものだろうと思う。例えば知識をとって考えてみよう。ハイエクの言うように知識は局在している。つまり何か判断を下すにあたって完全な知…

地産地消の不思議

海のない地区は海産物は食べられないのか?特定の地区の農産物を食べ続けることこそ重金属等の汚染に弱いはずだが*1。 *1:色々な地区のものを食べることでリスクが分散できる

市場こそ電力不足を解消する

市場で電力不足解消というと短絡的に料金引き上げと言われることが多いが、もっと広い意味でとってほしい。東電以外の企業が自由に電力を供給・配電できるようになれば料金も下がるし、停電にも強くなるはずだ。今論争になっている「原子力は必須か」と「原…

ハイエクの予言

真の集産主義者たちにとって、権力はそれ自体、目的なのだ 隷属への道 第十章 p187より 今の日本の首相はまさにそれだな。

マッチポンプ

解雇規制、最低賃金で職に就けない人を増やしておいて「政治で解決」しようとする。 電力の安定供給のためと称して独占を許し、かえって電力の不安定供給になった後「政治で解決」しようとする。 典型的なマッチポンプ。 節電を呼びかけて高齢者が熱中症で亡…