2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

EBM

医学にEBM(evidence-based medicine)という言葉が登場して約20年になるだろうか。EBMのもっとも原始的な形態は、「この治療法が効く」「いや、あの治療法の方が良い」という論争だろう。まじないと医学の区別がないような時代に、権威主義的な*1伝承から一歩…

職人の経験って

製造業の分野で、職人の経験や暗黙知のようなものがあることは否定しない。ただ、本当にその仕事を大事に思うなら、データ化して後輩が習得しやすくするような努力も必要だろうし、そのことでその仕事が生み出すものをもっと多くの人に届けることができるだ…

ポリオ

以前、蔵さんがポリオワクチンのことでエントリをアップされていた。少し情報を追加しつつ私の考えをまとめてみよう。

消費者は弱者なのか

消費者保護という言葉を聞くことがあるが、保護する必要はあるのだろうか。 消費者は物やサービスが気に入らなければ購入しないだけのことである。消費者はたいていの場合、他に選択肢があるが、企業の側は顧客から見放されると倒産に追い込まれることもまま…

勤勉革命と単純労働

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (下)」 p28、山田八千子著「自由の契約法理論」p188より リドレーによれば、18世紀の日本は、牛や馬を使って鋤で農地を耕すことをせず、鍬を使って人力で農耕を行っていた。更にリドレーは、日本が自給自足に陥り衰退…

情報格差

情報格差がある場合は対等な交換は成立しないのか。 私自身の立場は情報格差があるからこそ市場が成立するというものだ。「せどり」という業態があるが、これは安く売られている古書を仕入れ、需要のあるところでそれより高く売ることだから、情報格差そのも…

高齢者は弱者なのか

財政赤字が話題になっても、社会保障の削減はあまり話題にならない。特に年金削減というのはタブーのようだ。表向きは高齢者イコール弱者だからとされているが、単純に政権与党の選挙対策としか考えられない。 財政赤字の原因の一つは過去にばらまきをやりす…

結局大企業はどうすればいいのか

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (上)」 p163よりリドレーの「繁栄」に、ウォルマートが進出してメリットを享受しているにもかかわらず不満たらたらな人々の様子が出てくる。普段は大企業が暴利をむさぼると言って批判する人が、ウォルマートの低価格…

続・チケットショップ

また新宿のチケットショップの辺りを歩く機会があった。年末のためかどこもにぎやかであるが、店によりにぎやかさは違う。やはり客から見て売買が有利な店は行列が長くなり、それがシグナルとなって更に行列が伸びる。客の中にはならびの店の価格を比較して…

交換の強制

自発的な交換には双方のメリットがあるという話を持ち出すと、「選択肢が限られている人がいる」、「強制されたら問題だ」などという意見が出る。 強制されること自体、定義からして自発的な交換ではないのだが。また、選択肢が限られていても選択肢が全くな…

リバタリアニズムの普遍性

slumlordさんの問題提起より。 つぶやき1 蔵さんやfuyushaさんがされているような進化的、遺伝的な見地からの人種、性別、地域間の違いに関する議論は、個人的には興味深いが、積極的に論じているリバタリアンは余りいないイメージがある。リドレーもそうか…

フリーライダーと民族性

フリーライダーについてもう少し考え、遺伝のこととの関連をまとめてみた。wasting time?さんの考察はもっともで、規制による弊害は薄く広くなので目につきにくいのだろう*1。今後、この二つを論じていくには市場に自然発生的に出てくるフリーライダーの弊害…

心を込めるって

知人Xが飲食店を開店することになり、みんなが色々応援していたのだが、別の知人YとZのコメントが面白かった。Y「心を込めた料理を提供すれば大丈夫」 Z「ニーズに応えないと。ビジネス街のランチを狙うのだから素早く提供するのもサービス」 Y「そんな心の…

フリーライダーをどこまで許容できるか

その社会が政府を大きくし、規制を増やしていくかどうかは、フリーライダーをどこまで許容できるかというメンタリティにかかっている、と思う。

私が交換を重視するわけ

mojixさんのエントリーを補足するつもりで。私が「愛情による無償の贈与」よりも「交換」を重視するのには理由がある。別に無神論者だからではない。他人に対して関心がないからでもない。

社会の改善はいつから始まるのか

参考文献 マット・リドレー著 「繁栄 (上)」 p154よりリドレーによれば、人々が川や空気の清浄化を求めるのは所得が4000ドルを超えてからだという。教育や職場の安全対策に力を入れるのも同じようにある所得を超えてからのようである。結論はごく当たり前…