『階級「断絶」社会アメリカ』を読む、その3
第III部 それがなぜ問題なのか
マレーは建国の父たちが唱えた「小さい政府」の考えに戻らなければならないという
今までのテータをもとに、マレーは小さい政府を支持する。
第14章 アメリカ社会の選択的崩壊
アメリカにはかつて相互扶助のコミュニティがあった。特にフィッシュタウンでのその崩壊が顕著である。
マレーはノスタルジィと批判される可能性を自覚しつつも、濃密なコミュニティに価値を見いだしているが、現代の都市生活者は否定的だと思う。
第15章 建国の美徳と人生の本質
幸福と関係するのは家族、仕事、コミュニティ、信仰の4つの領域である。これらは建国の美徳とも関係し、フィッシュタウンでは特に幸福度が低下している。
日本ではやはり信仰というのはピンとこない。コミュニティも都市部ではどんな幸福をもたらすのか。
第16章 分つことのできない一つの国
今までの話は、白人だけにしぼっていたが、結局はアメリカ全体の問題である。
知的な格差が所得格差になるのは日本でも同じだろう。
第17章 未来のシナリオ
マレーは、小さな政府と大きな政府を対比していく。
最終章でマレーはヨーロッパ型の福祉国家が破綻に向かうことを述べる。これは日本でも同じことだが、あまり理解されていない。