2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

村の連帯から都市の匿名性へ2

前回も書いたように大多数の人々が都市に流れることから、連帯意識より匿名性の高い生活が好まれることは明白だ。連帯意識が薄れたということが話題になる度に違和感を感じてしまう。連帯意識はある水準から外れることを許さない。怠けるにしても飛び抜ける…

村の連帯から都市の匿名性へ

タイトルはあまりにもステレオタイプであることを自覚しつつ都市論を続けてみる。小規模の集落では連帯意識が強かったというのは群れを作って生き抜いてきた人間の行動として自然だろう。では、匿名性の高い、資本主義社会・都市生活というのはどうなんだろ…

言語の力・文字の力・ミームの力

人間と動物を分ける大きな境の一つが(複雑な)言語の存在だろう。文明の発達の原動力の一つが言語であることは間違いない。タイトルで言語の力と文字の力を分けたのには理由がある。文字がなくても都市を形成した例は存在するからだ。参考文献*1によれば、…

合理的精神の発達

参考文献 マックス・ウェーバー 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」、山本義隆「磁力と重力の発見」三部作よりウェーバーは、カルヴァン派の唱える予定説が禁欲的かつ合理的に日々仕事に邁進する人間を生み出し、これが資本主義発達の大きな要…

中国はなぜ発展しなかったか

参考文献 トマス・ソーウェル 「征服と文化の世界史」 第6章 総括p542、小室直樹「日本人のための宗教原論」第6章より儒教は伝統重視であった。科挙は試験に合格すれば出世できるという点で画期的だったが、内容はテキストの暗記だった。また、中華思想には…

プロ農家

参考文献 日本は世界5位の農業大国統計上、日本の農業の生産性が低いように見える原因の一つは、高齢者による自給のためのあるいは趣味のための農業である。これを除いて考えると産業としての農業は強い。

アフリカにおける発展した国と発展しなかった国の違い

参考文献 トマス・ソーウェル「征服と文化の世界史」 アフリカ人よりガーナでは、天然資源が豊富にあったにもかかわらず、政府介入的な政策のため、植民地支配からの独立後は低迷した。 コートジボアールでは、植民地支配から独立後もフランス人を放逐するこ…

アフリカにおける奴隷の捕獲、その後の扱い

参考文献 トマス・ソーウェル「征服と文化の世界史」 アフリカ人、ウィリアム・バーンスタイン「華麗なる交易」より最初に断っておくが、奴隷制に賛成ではない。奴隷制の悲惨な実態をメモしておくことにより、いかに自由が大切か示すことができたらと考えて…

地形と文化の伝播

参考文献 トマス・ソーウェル「征服と文化の世界史」、ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」よりユーラシア大陸は主に東西に広がるため、動物が移動しやすく、農耕の技術も伝わりやすかった。 南北アメリカ大陸は南北に広がるため、途中に熱帯が存在す…

都市の力と遺伝

都市の力はやっぱりすごい。 ランズバーグの「フェアプレイの経済学」、バーンスタインの「豊かさの誕生」でも強調されていることだが、人が多いほどその中で新しいアイディアを思いつく者が増える。また、アイディアとアイディアがぶつかり合うことで進歩が…

設備だけあってもうまく行かない

参考文献 トマス・ソーウェル 「征服と文化の世界史」 第6章 総括p478, 485より植民地が貧しいのは搾取が原因ではない。もし植民地が貧しいのが搾取が原因なら、帝国の撤退の後、植民地は豊かになるはずである。だが、イギリスからローマ人が撤退した後、道…

イギリスにおける自由の発達

参考文献 トマス・ソーウェル 「征服と文化の世界史」 第2章 イギリス人 p144よりイギリスでは、一般投票により国会議員を選ぶようになる前から、言論の自由、権力の分立、裁判権など自由社会における諸々の要素が存在していた。従って民主主義と自由主義は…

ソビエト連邦が立ち上がったときのこと

参考文献 トマス・ソーウェル 「征服と文化の世界史」 第4章 スラブ人 p314よりロシアにおいて共産主義政権が権力を掌握後も数えきれぬほどの経済停滞や失敗が目立った。彼らは、装備、資本、管理、技術、技師などを西側諸国に求めた。ソビエト管理下の月間…

アフリカの悲劇

参考文献 トマス・ソーウェル 「征服と文化の世界史」 第3章 アフリカ人 p158よりアフリカ大陸の海岸線は単調で遠浅である。このため大型船は着岸しづらい。また、河川は季節により水位の変化が大きく利用しづらい。陸地も勾配が急である。これらは、人や物…