合理的精神の発達

参考文献 マックス・ウェーバー 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」、山本義隆「磁力と重力の発見」三部作より

ウェーバーは、カルヴァン派の唱える予定説が禁欲的かつ合理的に日々仕事に邁進する人間を生み出し、これが資本主義発達の大きな要因であるとした。この考えが正しいとすると、宗教自らが対立的な合理的精神を生み出し、結果的に根本が揺らぐことになるというパラドックスとでも言うべき状況になる。
似たようなパラドックスを「磁力と重力の発見」三部作で山本が唱えている。遠隔して働く力を認識するのは、魔術という迷信が下敷きにあったから可能になったというものだ。また、とかく迷信の時代であったとされる中世も、その時代なりの合理性で自然を捉えようとしていたことが描かれている。
合理性というのはどうやって発達してきたのだろう。