市場による民主主義

リバタリアニズムは民主主義に対しても否定的である。多数決は少数派の意志を踏みにじることになるからだ。
だが、歴史的にみれば大多数の人が自分の意志を反映させる機会を得たというのは自由の観点からも重要なことであろう。正確には、私有財産を認めることが重要なきっかけになったのかもしれないが。
さて、市場は民主主義の利点を有しつつ更に有用であることをまとめてみたい。民主主義の利点とは自分の意思を表明し、実現する機会があることだが、市場ならば同じことが期待できる。自分の意志で取引に参加するのが市場であるからだ。そして多数の支持を得た物・サービスが広まっていく。更に良い点は、少数派でも費用がかかることさえ容認するなら選択肢が得られることである。つまり大多数が不要と考える物でもお金を出せば手に入れることができるのだ。このように市場では少数派でも切り捨てられることはないという利点がある。こう考えると、現在政治の世界で扱われていることを「サービス」として捉え、市場に持ち込むことが決しておかしな考えでないことがわかるだろう。