ベーシックインカムについて考える

ベーシックインカムの議論が盛んだ。Mフリードマンも「負の所得税」という形で取り上げており、リバタリアニズムとは無縁ではない。
私自身は、ベーシックインカムは諸刃の剣だと考えている。支給額を増やせば共産主義的になり、支給額を減らしていけば古典的自由主義に近くなるだろう。サービスを現金支給することは現物支給よりも本人の意思決定を尊重し、効率的だが、その金を酒ばかりに使ってしまうような事例も出現しうる。このようなケースをどう評価するか。この辺りのことは、ノーマン・バリー著「福祉」に詳しい。
あまり話題にされないのが、ベーシックインカムの基本精神である、福祉の一本化についてである。福祉を一本化するなら、例えば農家を守るためと称した補助金政策もやめるべきだろう。そうすれば、関税も不要になり、食料の値段は下がる訳だから、本当に貧しい人にはこちらの方がありがたいはずだ。
私自身は、ベーシックインカムの導入ではなく、税と規制の撤廃により、貧しい人を救うべきだと考えている。