アナルコキャピタリストの行う福祉

アナルコキャピタリストは、政府がない世界では貧困が少なくなり、自発的な援助が行き渡ると説く。これに対し、現状でアナルコキャピタリストは自発的な援助をしているのかという批判がある。私自身は、最も有効な福祉を実践しているあるいはしようとしているのはアナルコキャピタリストであると主張してみたい。その理由は以下の通りである。
まず、アナルコキャピタリストの主張を確認しておこう。政府はよけいな介入をするな、市場を活用せよ、私的所有権を尊重せよ、である。次に自発的な寄付、ボランティアについては誰も異論がないだろうからここでは無視することにしよう。そして、人がものを手に入れる方法には三種類あったことを思い出してほしい。実力(暴力)、愛情、交換である。自発的な交換は双方にメリットがあるから行われることに注意。従ってよけいな介入をせずに市場に任せておけば、交換の連鎖に伴い地球の裏側にいる知らない人にまで富を配分することができるのだ。それも誰からも搾取することなく。税金による再分配・援助の場合、その行為は市場を歪め、税金と称して人々からお金を搾取し、お金をもらえる人ともらえない人を作り出してしまう。
こう考えるとアナルコキャピタリストが最も福祉に力を入れていることがわかるだろう。