へたれリバタリアン

自分の立場は未だはっきりしないけれど。
税金の本来の意義というものを考えてみる。一つは、経済学でいう「公共財」に関する費用と言うものだろう。国防、司法、環境に関することなどなど。どこまでを政府がやるべきだとか、すべて民間に任せるという話は今のところなしで。もう一つは、再分配に関するものだろう。格差があまりに大きい社会は不安定になるという考えもあるようだ。
一つ目の公共財問題にしぼっていうなら、同じ成果が出るなら税金は少なければ少ないほどいいという命題に反対する人はまずいないだろう*1。単純にお金を効率的に使うという問題だ。また、リバタリアンとしては、自分のお金が必ずしも自分の望む物に使われていないという意見もあるに違いない。
今の日本で、この状況を少しだけ改善する方法として一つ思いついたことがある。確定申告の際に配られる予算配分表(省庁単位ではなく、もう少し細かい項目が望ましい)をもとに、自分の払う税金の配分を各項目ごとにプラスマイナス10%増減できるようにすることだ。新規事業だけは特別に0%を選ぶこともできる。そうすれば同じ税金でも自分の考えがある程度使い道に反映されるのである。大多数が不要と考える事業は何年かすると予算が大幅に縮小されていることだろう。官僚もあの手この手で予算を通そうとするだろうが、そのためには必要性を国民に説明しなければならない。今までは、国民の承認を得てというのは議員の承認を得てということだったが、本来の姿に戻ることになる。そうすれば予算に関する仕事(財務省)も減らせるし、議員の仕事や権限も減らせる。問題が起こっても予算を削ったのは国民だから誰も文句は言うまい。各省庁も予算が少なくなればリストラするしかないだろう。こうして無駄が削られていけば税金も多少少なくなるかもしれない。さらに省庁の人件費もこれに連動するようにすれば確実に税金は安くなる。
この方法の問題点は、急に予算が減って事業がストップする可能性があること、福祉に回る予算が減った場合、生活が破綻する人が増える可能性があることだ。前者はサンクコストと考えれば、中止すべき事業なのだと割り切ることもできる。また、本当に必要な事業なら中止になっても民間企業が乗り出してくる可能性は高い。うまく行けば、自然に民営化が進むだろう。後者は現状の少し改善という点からするとベーシックインカムなどと併用することが望ましいだろう。
多分、気づいていない問題点がいろいろ出てくると思うが思考実験として考えてみた。また、リバタリアンとしては相当「へたれ」な内容なのも事実。ロスバードが生きていればかえって厳しく批判されたかも。

*1:ここでは政府の大きさに関するリバタリアンの意見の違いをあえて無視する