企業の社会的責任とは

不況のせいか、企業の社会的責任という言葉が連呼されていたが、見当違いも甚だしい。

不況のため解雇される人、就職できない人がクローズアップされている。大企業はそのような人に対してどのような社会的責任を果たすべきだというのか。今回は無政府社会ではなく、現在の社会の枠組みで考えてみる。
まず、大企業は現金を溜め込んでいるという幻想がベースにあるのだろう。しかしこれは間違いである。不況のさなか手元の資金を現金で保有している比率は上がっているかもしれない。しかし、取引各社との売り掛け買い掛け債権などもかなりあるはずである。このような信用で回っているサイクルを縮小すれば、下請けの中小企業など首が絞まるところも多いはずだ。企業は社会的責任を果たせという政党は中小企業を破綻に追い込むつもりらしい。
また、余分な従業員を雇うことで、経営者が赤字回避の努力をしていないと株主総会で指摘される可能性もある。途端に全体主義政党は「放漫経営、経営の私物化、企業をきちんと経営するという社会的責任を果たしていない」などと批判するのではないか。

社会的責任などと言うあいまいで一見正義のように聞こえる言葉には注意が必要だ。