現在の枠組みでも多少実現していること

いきなり無政府資本主義の実現は難しいと思う。それでも徐々にではあるが無政府資本主義に至るような動きは出ている。不況を理由に政府の介入を肯定する人が多いが、不完全とはいえ民営化がサービスを向上させてきたことをまとめてみたい。
警備会社は、警察組織とまでは行かなくても安全*1に関わる仕事をしている。水の供給は公的な仕事だとされているが、飲み水を宅配するサービスも出現している。民間経営の有料道路も存在するし、限られた面積が対象とはいえ、外部性の代表たる土壌汚染を除去するサービスもある。今ではすっかり当たり前になったが、通信事業と宅急便はまさに政府の仕事から完全に民間に移行した良い例だ。国鉄もJRとなってから劇的にサービスが向上している。こう考えれば政府の仕事と思われていることに参入する企業は少しずつではあるが増えているのだ。

政府の仕事に民間が参入するビジネスの中で、これからの日本で有望と思われるのは民間司法である。*2アメリカでも競売などでは大活躍しているようである。*3企業間の取引の際、もめた場合の仲裁をどこに依頼するか、ペナルティはどうするかなどを契約に盛り込むようにすれば民間司法が実現すると思う。*4

無政府資本主義は意外とビジネスの宝庫かもしれない。

*1:治安は言い過ぎであろうか

*2:私が知らないだけである程度始まっているのか?

*3:司法政策の法と経済学による

*4:強制力の問題、現在の法律で許されるかという問題があるが