司法政策の法と経済学

この本はまだ読んでいる途中であるが書いておく。
「法と経済」の分野自体、日本ではまだあまり光が当たっていない。しかし、法(広く規制を含めて考えてもいい)がインセンティヴに大きな影響を与えるため、この分野は社会制度を考えていく上でとても重要である。リバタリアニズムにとっても重要で、実際、DDフリードマンサンタクララ大学で法と経済を教えているのだ。
この本は半分くらいまで読んだところだが、第3章の「法と経済学からみた司法改革」をぜひ紹介したい。法と経済に付いて簡潔にまとまった必読文献である。コースの定理から制度をどのように設計すべきか丁寧に解説されている。
広義のリバタリアニズムには、ハイエクのように制度設計そのものに批判的な立場もあるし、アナルコキャピタリズムの立場からは政府の関与自体を否定されるだろう。だが、政府が関与するならなるべく最小にという古典的自由主義の立場なら逆にコースの定理から制度を考えていくのは決して悪いことではない。また、アナルコキャピタリズムのように民間の司法組織に任せるべきだ、という立場でも考え方自体は賛同を得られると確信する。
リバタリアニズムの文献を読み込まれている人には当たり前の内容だろうが、関係のある書物として紹介されていないのが惜しいと思い取り上げておく。読了したら改めて取り上げたい。