書店にみるビジネスモデル

新宿にまた一つ巨大な書店が誕生した。ハシゴしてみて書店にもビジネスモデルが存在することに気づく。これらを比べて思ッタコト。

滞在時間拡大型
購買力は滞在時間に比例する。これを利用したモデル。強者の戦闘スタイルでもある。

 ジュンク堂ブックファースト紀伊国屋書店は巨大店舗で滞在時間を拡大するケース。店舗が広いと品揃えが豊富になり、目移りする。同じ理由で移動時間も多くなる。品揃えが豊富であることは、顧客が「あそこに行けばきっとあるだろう」と考えることから集客にも有利である。ここまでは共通。

 ジュンク堂の場合、これに合わせてベンチやカフェも用意して滞在時間を延ばし、ついで買いを誘発する。立ち読み歓迎イコール滞在時間延長である。規模は小さくてもカフェなどを併設している書店も同じ効果を狙っていると考えられる。

新しくできた新宿西口のブックファースト新宿店の場合は筆者が勝手に迷路作戦と名付けたスタイルである。コクーンタワーという建物の構造の影響でフロアが蜂の巣状に区切られている。このため方向感覚が狂いやすい。また陳列棚が斜めにクロスするため、見通しが悪い。これらが滞在時間を延長する効果を発揮する。ちょうどドンキホーテ圧縮陳列と同じなのである。ブックファースト新宿店は上のフロアにコラボレーションのカフェがあるが、連続した感じがなく書店としての滞在時間延長効果はあまりなさそう。

回転重視型
在庫の回転をあげることで利益を出すタイプ。小さな駅前に多い。

通勤通学・帰宅途中の人がターゲットだから滞在時間は短いと考えられる。従って狭い店舗で雑誌や売れ筋の新刊を中心に置く。

ニッチ
何かに特化した店。弱者のビジネスモデル。

絵本の専門店や歴史書中心など、狭い範囲に特化して集客する。古書店なら神保町によくみられるタイプである。