自由の構造(2回目)

書評の続き
第5章でバーネットは、「第二階の知識問題」と呼ぶ問題について議論する。これは、正義が要求する行動についてすべての人が知りうるように伝達することの必要性についての考察である。事前に正義が要求する内容がわかっていないと紛争の原因になるからである。
第6章では、「第三階の知識問題」について話が進む。「第二階の知識問題」で正義が要求する行動は「法の支配」と重なってくる訳であるが、ここまでの議論では法の支配と言っても抽象的で具体性がない。コモン・ローの過程を通じて具体的な解釈が蓄積されていくことのメリットがまとめられている。
ここまでで第一部終わり。*1

コモン・ローにはあまりなじみがないのだが、ハイエクの言う自生的秩序や蔵さんの「法の進化」をイメージすればよいのだろうか。


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*1:第一部のテーマは知識であった