無政府社会と法の進化

無政府社会と法の進化・蔵研也著読了。著者は学術的で(一般向けにはということだろうが)つまらないと言っているが、三冊の中で一番面白かった。無政府社会での警備会社の役割、法(取り決めのようなイメージか)も変化する様が生き生きと書かれている。
一つ気にかかっているのが、現在の刑務所に入っている大部分の人たち。前のエントリでも書いたが、多くは行き場のない障害者や高齢者なのだ。このような人たちの受け皿というものを考えるのはリバタリアンとしてはおせっかいなのかもしれない。単純に福祉というもので解決するわけでもないのでなかなか難しい問題だと思うのだがどうだろう。
蛇足だが、23pの「利己的遺伝子」は訳本が既にあるので「利己的な遺伝子」がよいと思う。119pの「強調」は「協調」だろう。貴重なリバタリアニズムの本が版を重ねるときに訂正されることを祈りつつ。
著者に伝わるようTB