気になるデータ

一つ目。ポール・ヘインの「経済学入門」より
所得格差について述べた部分の脚注に、所得の多い層は少ない層より労働時間が長い旨の記述あり。所得格差に注目が集まってもこのような事実は黙殺されてしまう。所得の少ない層は、労働意欲があってもあまり長く雇ってもらえない*1のかもしれない。また、本人に働く気が少ないという両極端の可能性が考えられる*2。いずれにしてもヘインの指摘は重要だ。
二つ目。マーク・ブキャナンの「人は原子、世界は物理法則で動く」より。
あらゆる社会の所得分布がベキ乗則に乗っているという著者の指摘は重要。つまり平等が建前の共産国家でも所得格差は歴然としており、しかもその格差は厳しいのだ。あらゆる所得の再分配は失敗に終わると言い切っていいのかもしれない。ならば、貧困層を救うのは所得の再分配ではなく経済成長であるということになる。もう一つ論理の飛躍を承知で言えば、それは政府を小さくすることだ。

*1:パート主体など

*2:実際は両方なのだろう