答と行動と

経済学の入門書を読むと、人はアンケートに答えたことと同じ行動をとるとは限らないということが書いてある。建前と本音と言い切ると問題がありそうだが、重なる部分は大きいと思う。レヴィット*1はこのギャップをうまく本にしたとも言える。例えば、「超ヤバい経済学」に出てくる以下の例だ。通りの自分が歩いている側にホームレスがいる場合と通りの反対側にホームレスがいる場合でお金を渡す割合が違うというものだ。慈善的な意味合いからホームレスにお金を渡しているなら通りを渡ることくらいなんでもないように思うのだが、人間の本音はそこにはないということなのだろう。

このような答えと行動のギャップが日本で起きているちぐはぐなことの原因の一つであるようにも思える。例えば、大企業の進出により中小の商店が閉鎖に追い込まれるなどという。中小の商店はかわいそうだと。しかし、閉店の原因は大企業ではない。中小の商店で買い物をしなくなった顧客の行動が原因だろう*2。かわいそうならなぜ中小の商店で買い物をしないのか。そこを黙っていて政府の規制や補助を求めるのは筋違いだろう。

*1:ヤバい経済学、超ヤバい経済学

*2:中小商店より大企業が魅力的だからというのが更に原因ではあるのは承知している