分子生物学、物理、そして…。

高校生の頃は何も知らないくせに、生物学とは進歩のない学問と決めつけていた。しかし、分子生物学に出会って反省。もともと無神論者だったが、分子生物学に触れてからは極端に還元主義的になった気がする。分子の一つ一つがその形や電荷などで機能が決まっていくのを知ると、レゴと生物の違いすらあまりないような気がしてしまう*1。こうして分子生物学という分野は私の頭を作り替えた。もう一つ、相対性理論量子力学なども自分の頭の大切な構成要素かも。こっちはそんなに詳しいわけではないけれど、光速不変の原理やベルの定理観測問題は私の世界に対する認識を根本的に変えた。


進化論に対して疑問を抱いたことはなかったけれど、デネットの「進化論は万能酸」という言葉に出会ってからは素直に進化論を受け入れていた人生に感謝している。同じく現実社会を理解するツールとしての経済学は最近の自分の思考パターンに大きな影響を与えている。経済学帝国主義なんて言葉もあるくらいだし。どちらも人間の行動を理解する上で必須であると考えている。


分野は違うが、金融モデルを作り上げたヘッジファンドの連中も学問が人生を決めたんだろうな。批判も多いが、金融市場のアルファを追い求め、数学で市場の歪みを駆逐*2してまわったのがヘッジファンドだ。歪みを解消する過程で一儲けしようとしたわけだが。多分、彼らの頭の中は数学で世界を理解するようになっていたのだろうな。気分だけだけれどなんとなくわかる。

もう一つ、学問自体にアクセスしやすくなったのにも感謝すべきかも。まだまだ頭の改変は続く。

*1:ちょっと極端ですね

*2:こう書くとアービトラージのみをヘッジファンドの戦略と捉えているように思われるかもしれない。しかし、効率的市場仮説によれば、市場は情報はすべて織り込み済みで何らかの戦略が優位に立つことはあり得ない。何らかの戦略で儲かるということは市場に歪みがあるということである。