マシュマロテストから進んでみる
少し前にマシュマロテストを取り上げたが、進化論的な観点からもう少し考えてみよう。
マシュマロテストで問題にされる「目の前の利益を犠牲にして先のことを考える傾向」は、おそらく遺伝的に規定される*1だろう。この資質は動物と人間を区別する大事なポイントだと思う。進化論的にはこの能力が農耕を可能にし、都市を建設した要素の一つだと思う。似たような傾向に「反省する」というものもある。学習と重なるかもしれない。この資質は人間の行動を修正することを可能にする。
このように書くと良いことばかりのような気がするが、おそらく人間は大きな代償も払っている。先のことを考えすぎるとリスクをとりにくくなるし*2、反省ばかりだとうつ傾向が出てくるはずだ。おそらくこれらの資質はある程度の範囲に広がっていて、多様性があるのだろう。ただ本人が幸せを感じているかどうかは別にして、現代社会では先のことを考える人間は成功しやすいのかなと思う。
