マシュマロテスト

知人が4歳の子供を連れて出かけ、ある子供用の乗り物の順番を待っていたところ、別の同年代と思われる子供に割り込まれた。「そのとき自分の子供は黙ったままで引っ込み思案だ」と心配していた。別の角度から光を当てれば知人も喜ぶかと思い、マシュマロテストの話をしてあげた。
マシュマロテストというものがある。古典的な心理学の実験の一つだ。4歳の子供の前にマシュマロをおき、「私が帰ってくるまでマシュマロを食べないで我慢できたらもう一つあげるからね」と言って部屋を出る。15-20分で帰ってきたとき、子供がどれくらいマシュマロを食べるのを我慢できているかというものだ。我慢できていた子供はよい成績や社会的な成功を得やすいというのが実験の結論である*1
巷の「マシュマロテストをクリア=知能が高い」という解釈は疑問だが、おそらく目の前のものを我慢して先のものを手に入れようとする性質はかなり評価できるのだと思う。この性質は大人になってからも続くのであろう。この性質は依存症などとも一部関係すると思われる。またこの辛抱できる資質を持つ子供は忍耐が必要な継続的トレーニング・学習にも取り組める可能性が高く、結果的に社会的な成功につながりやすいのだと思う。

先の見通しを考える力というのは、いくつかの要素に分解できるのかもしれない。知識やそれを運用する論理の力も関係するだろうし、シンプルな時間選好も判断を左右するだろう。つまらないことでも継続できる忍耐力のような要素*2も関係するだろう。もちろん、あまりに先まで考えすぎて実行力が落ちる*3のも社会的には問題だろう。

この「先の見通しを考える力」は人格の大切な要素だと思う*4。心理学でいうビッグ・ファイブとはどんな関係になるのか。

冒頭の話に戻ると、知人の子供は引っ込み思案ととることもできるが、4歳で社会のルールを把握し、順番を「待つ」ことができたのだ。もちろん、純粋なマシュマロテストとは設定が違う。まあ、なぐさめも入れて。多分有望なお子さんだよと言ってあげた。

*1:色々批判もあるようだが私の解釈は以下に

*2:マシュマロテストの結果とかなりかぶるだろう

*3:心配性のような性質か?

*4:私の私見です