貢献は見えにくいものかも

テレビを見ていても職人技と言うか常人が真似しがたい技術を持ち上げがちだ。分野は違うが、確かにメジャーリーグのファインプレーなど見ていてすごいと思うし職人技を否定するわけではない。だが職人技は過剰に評価されがちであるように思う。
例えば、職人の作った抜群の切れ味の包丁は確かに素晴らしいかもしれないが、大多数の人は大量生産されたまずまずの切れ味の包丁で何の不自由もなく生活している。大量生産の包丁の素晴らしいところは、価格が下がって誰もが買えるようになっているところだ。気付きにくいが、目立たない形で我々の生活を豊かにしているのである。包丁が大量生産されていなければ我々は長いこと待ってやっと包丁を非常に高い価格で買うことになる。大量生産される包丁の製造業者は目立たないかもしれないが、安く安定した品質の製品を供給する技術を誇っていい。人々に対する貢献ははるかに大きいのだから。