The Rational Optimist邦訳出版予定

参考文献 ダン・ガードナー著 「リスクにあなたは騙される」 、サンドラ・ヘンペル著 「医学探偵ジョン・スノウ」

蔵さんのエントリで名前を挙げていただいた。蔵さんには、いつも知的な刺激を与えて頂いて感謝している。リバタリアニズムという共通点以外に、科学技術の進歩、経済発展で人間の幸せや自由が増大しているという点でも蔵さんと私の意見は一致している。というか、蔵さんの影響が大きいというべきか。
さて、件のエントリによると、以前に蔵さんが紹介されていた「The Rational Optimist」が邦訳されるとのこと。期待大。
純粋なリバタリアニズムの議論よりは、合理的な楽天家の視点の話の方がまだ世間には受け入れられやすいように思う*1。それでも世間ではえてして悲観的な考えの方が圧倒的に多い。この辺りに付いても「The Rational Optimist」で解説されている模様。前回のエントリで参考にした「リスクにあなたは騙される」では、論理思考が感情に圧等される様子が生き生きと書かれており、これも合理的な楽天家の視点な視点が受け入れられにくい理由の一つだろう。

ここではちょっと具体的な例を挙げて私なりに技術の進歩が人々を幸せにすることについて説明してみたい。
ここでは上水道・下水道の技術の話にしてみよう。今では蛇口をひねるだけで簡単にきれいな水が手に入る。これで水汲みという重労働から人々が解放された。この仕事に従事していたのは子供や女性が多かったはずだから、平等主義者とて技術の進歩に反対できないだろう*2。また、上で参考文献としてあげた医学探偵ジョン・スノウはコレラの原因を突き止めていく話*3だが、上水道や下水道の技術が水から広がる感染症を激減させることも示している。科学技術を否定する人は参考文献二冊を読んで自分が何を目指しているかよく考えた方がいいだろう。

追記 こちらにも紹介あり。
なお、水道水と感染症についてのメモはこちら

*1:かなりかぶっているのだが

*2:論理的ではないが、私の頭の中では平等主義者と反科学技術派は重なるのだ

*3:知的興奮が得られ、論理的思考や粘り強い仕事の大切さがわかる傑作。