クルーグマン教授の経済入門

ポール・クルーグマン
私は、経済学の専門家ではないので、専門家がどのような考えで現実を見ているか知りたかった。読みやすくて内容もよいという評判のこの本に取り組んだ。
いかにもアメリカの優秀な学者らしいと思ったのが、「たくさんの人の生活水準を左右するものは3つしかない。生産性、所得配分、失業、これだけ。」とまとめてしまっていること。最初に数個に絞った問題点を提起しているのだ。*1クルーグマンの考え方で行くと、郵政民営化というのは、生産性に関わる分野だろうし、税金と年金は所得配分の問題だろう。そういう意味では、今の日本は、経済学の問題としても非常に大切なことをきちんと考えていくべき時期だと思われる。

*1:後で書評を書く予定の「ライブ・経済学の歴史」では、これに触れて、経済に取って大切な七つの問題を取り上げ、これに沿って経済史をまとめあげている