思想と遺伝、感受性

親子であるいは三代にわたって思想を受け継ぐ家族がある。例えばフリードマンの家系がそうだ。ミルトン、デイヴィット、パトリと思想を深めながらも自由を擁護する姿勢は変わらない。さて、これは家族の環境という文化あるいは社会的な要因だけで規定されるのだろうか。おそらく遺伝が幾分かは関係していると思う。自由を愛する遺伝というよりは反骨的な気質というものではなかろうか。気質という面からリバタリアンを捉えると、多分、反骨的な気質、リベラルへの一定の理解、ルールを尊重する姿勢と言ったものが入り交じっているのだと思う。

ただ、気質だけでリバタリアンは形成されないはずだ。おそらく思想というミームに対する感受性にはひどく敏感な時期があって、その時期に自分の気質にあうミームに感染することが重要なのだと考えている。もちろん、年を重ねるにつれ思想的な立場が変わる人もいるが、そのような人でも根本的な部分は揺らいでいないように思う。特定の時期、自分の気質にあうミームがその人の思想的立場を決定づけているというのが私なりの結論だ。