道徳と顕示選好

お金より命が大事だという人がいる。条件によってはそうだと思うと答えると、変な顔をされたので質問してみた。
「お金があれば助かる人がいるのに、あなたのお金をすべてそのために使わないのはなぜですか」
その人がとっている行動は、自分のお金は見知らぬ人の命より大切だということだろう。
それとも見知らぬ人の命と、知っている人の命では価値が違うということか。それは条件次第ということではないのか。



とある高齢者が「最近の若い者は国を大切にしないので困る」と言っていた。
「日本は財政赤字で困っています。年金を辞退したら大好きな国が助かりますよ」というと変な顔をされた。
その人の言う国とは自分の既得権のことらしい。

口で言うことよりも行動の方が信頼できるとする顕示選好の考え方は道徳の場合も有効なようだ。