サンクコスト

wasting time?さんがサンクコストについて書かれている。私も滞在時間を延ばすことで売り上げを増やしているビジネスモデルに付いて書いたところなので、進化論的にサンクコストに付いて更に考えてみよう。
確かに、どの人もサンクコストによって完全に撹乱させられるわけではない。各個人は遺伝的なばらつきや育ってきた環境の違いから、サンクコストにどのくらい振り回されるか差があって当然である。例えば、本当に必要なもの以外はどんなに滞在時間が長くなっても買わないような人は、時に自分の選択肢を広げるのに失敗していると言える。逆にサンクコストにとらわれる人、つまり滞在時間が長くなるとついつい余計なものを買ってしまう人は、無駄な出費が多くなるだろう。このようなこと一つとっても、進化論的にはほどよいサンクコストへのこだわり具合があるはずだ。おそらく適正な行動を軸に正規分布あるいはそれに近い形でばらつきがあるのだろう。だから滞在時間を延ばすビジネスモデルにうまく乗せられる人はなくならないのだ。
ただ、人間は知識を貯えることで行動を修正することができるのも事実だ。サンクコストの概念を理解することで自分の行動をコントロールできる可能性が広がるのは好ましいことだと考える。また、完全にサンクコストにとらわれないのが合理的だとも思えないのである。