フェルマーの最終定理

サブタイトル ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
サイモン・シン
暗号解読と同じ著者の秀作。現代の暗号である「素因数分解が困難なことを利用した公開鍵方式」とは、数論でつながっている。フェルマーの最終定理の周辺の話題もうまくまとめられていて、数学史の本としてもよくできている。数学の話題としては、素数分布に関わる「リーマン予想」の方が面白いのだろうが、知名度から行けばフェルマーの最終定理だろう。フェルマーの最終定理も、単にその命題を証明したことがすばらしいのではなく、その過程で新しい分野を開拓できたからこそ価値があるのだと思っている。